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Piazzolla: Tristeza de un Doble A(AA印の悲しみ)

★★★★★(必携)
Piazzolla_Tristeza_de_un_Doble_A.jpg
ピアソラは、80年代に活動していた後期キンテート(五重奏団)で(このCDのタイトル曲)Tristeza de un Doble A(AA印の悲しみ)を好んで取り上げていた。1970年頃のオクテート(八重奏団)で初めて録音したものが、この頃にはコントラバスの下降音形に乗せた即興演奏の塊のような演奏に進化しており、おそらく聴衆のウケが良かったからだろう。事実、別項で紹介しているLive at Montreal Jazz Festivalでは、耳の肥えているであろうジャズの聴衆が熱狂している様子が見られる。無理やり型にはめて表現するのであれば「タンゴのリズムに乗せたモダンジャズ」といったところか。
ここでは、さすがタイトルにするだけあって演奏は最上の出来で、ライブ演奏であることが俄かには信じがたいぐらいの完成度の高い演奏だ(録音もすばらしい)。テンポも他の演奏と比べると少々ゆっくり目で、実に深い感動的な「悲しみ」が堪能できる。もちろん他の収録曲もデキが良い。

しかし、これだけの素晴らしい録音が、新盤として手に入れることができない所為で、聴くことが叶わない人がいるというのはもったいなさ過ぎる(かく言う私もなかなか入手できずに友人のCDを借りてようやく聴くに至った)。もしどうしても聴きたい場合は、米国のiTunes Music Storeで手に入れるという裏技があるようだが、そんなことをしないで済むようLive in Wienと併せて再発売を切に願いたい。

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武蔵野在住の不惑研究者の備忘録。 息子と娘に嫌われないことを目標に日々過しています。

ちなみに登場人物はほとんど匿名ですが、 「御主人様(仮名)」とは私の妻で「愚息(仮名)」は息子のことです。

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