« Piazzolla: En el Teatro Regina(レジーナ劇場のアストル・ピアソラ) | メイン | 車を見てみる。 »

Piazzolla: New Tango

★★★★☆(バートンのクールな競演)
Piazzolla_Burton.jpg
ピアソラのキンテートが世界的なジャズ・ヴィブラフォン奏者であるGary Burtonと1986年にモントルー(スイス)で演奏した模様(おそらくジャズフェスティバル時)を収めたもの。このCDは(月並みな表現で恐縮だが)『ジャズとタンゴが出会った』名演である。ほとんどの曲が書き下ろしのようで、特にVibraphonissimoは、ピアソラの得意とする3-3-2リズムを低声部旋律としてバロック音楽のように織り込んだ、カッコいい旋律だ。バートン自身は後のBBCのインタヴューで「ピアソラの音楽は全てが楽譜に書き込まれており、ジャズ畑の人間としては、まずそれに慣れるのが大変だった」と懐述しているが、聴衆との相互作用で生じる即興性を大切にしていたピアソラのキンテートもジャズマンから見れば、まだ音楽の枠がきっちり決まっていたということだ(拘束の度合いはどちらかというとバロック音楽ぐらい?)。CDにはボーナストラックとしてMuerte del Ángel(天使の死)が入っており、これも名演。

ただ、同じ面子で日本をツアーしたときの方が素晴らしい演奏だったという話もあるようだが、それが聴けないことを悔しがらずにそれをを想像して楽しみたい(でも本音は悔しい)。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.hiwa.org/yusuke/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/91

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。なお、メールアドレスの欄は公開されません。)

武蔵野在住の不惑研究者の備忘録。 息子と娘に嫌われないことを目標に日々過しています。

ちなみに登場人物はほとんど匿名ですが、 「御主人様(仮名)」とは私の妻で「愚息(仮名)」は息子のことです。

関連リンク

Calendar

« June 2006 »
Su Mo Tu We Th Fr Sa
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30

Entries of the month

Powered by
Movable Type 5.03
Valid CSS!