2001年4月の「がまんしましょう。」


01.04.27,Fri早めに起きてみる。
01.04.28,Sat北欧でも食いまくってみる。
01.04.29,Sunちょっと観光してみる。
01.04.30,MonGSMを購入してみる。

01.04.27,Fri 「早めに起きてみる。」

初めて中学校に登校する日はこんな感じだっただろうか。 全日空ホテルのベッドで目が覚めたのは5時頃だったのだ。

というのも、全日空ホテルは、マイレージがたまるだけでなく、 搭乗手続きがホテルのロビーでできるという特典まで付いてくる。 つまり、11:25発ロンドン行きの飛行機に乗るには、 東京郊外の多摩地区からなら6時起きで出発せねばならないのに、 このホテルなら10時前に出発すれば余裕で間に合うのだ。

というのに、目覚めたのは朝5時である。 これでは何のためにホテルを予約したのか分からない。 なんとも最初からとほほな状態なのである。

結局、眠い目をこすりながらロンドン行きの飛行機に乗ったのだ。 だが、眠いからと言って機内で寝てはいけない。 というのも、日本との時差は+7時間である。 ずっと起きていれば、徹夜しているのと同じ状態になって、 すんなりヨーロッパ時間に移行できるはずなのである。

機内では「スペースカウボーイ」と「ペイフォワード」を上映していた。 特に観たい映画だったわけではないのだが、 隣はダブリンに住んでいるという、 フランチェスコと名乗るイタリア人。 1ヶ月も休みをとって中国、タイ、ベトナムなどを回ってきたという。

ヒースロー空港では、乗り換えには2時間だけしかなかった。 事前にターミナルが違うと移動に手間取ったりして乗り遅れたりするとか、 聞いていたのだが、到着と出発のターミナルが同じだったおかげで余裕である。 えっへん。

ただ、ゲートの待合室はスウェーデン人ばかりで、 英語を喋っている人は一人も居ない。いよいよ心細い。

本当に私はこの国でうまくやっていけるのだろうか。


01.04.28,Sat 「北欧でも食いまくってみる。」

昼まで大学の宿泊施設で寝ていると、電話が鳴った。博士課程のHから、 スモルガスボードを食いに行こうというお誘いである。

知らない人が聞いたら、「スモルガスボードって何?」という状況かもしれないが、 日本で言うことの「バイキング料理」である。 つまり、テーブルの上に料理が並んでおり、 好きなだけ取って食べて良いというシステムである。

もちろん、日本でのバイキング料理というと、 寿司とか牛肉とかケーキとか、何となくチープなイメージが沸いてしまうが、 スモルガスボードと言ったら、スウェーデンの伝統料理である。 一応それなりの態度で接さなければなるまい。

ということで、会食開始。ニシンやサーモンのマリネ、ウナギのスモーク、 ジャガイモ料理、サラダを食いまくる。って、 「それなりの態度」が「食いまくること」だとすると、 日本でバイキングを食うのと全然変わらない気がするが、 深く考えてはならない。

しかし、魚料理が実にうまい。これだけうまく料理をすると言うことは、 スウェーデン人は魚好きだという証拠である。新たな発見である。

ひとつスウェーデンを好きになる理由を見つけたのだ。


01.04.29,Sun 「ちょっと観光などしてみる。」

昼まで寝ている訳にもいかないので、ちょっと早めに起きてみたのだ。

かといって、やることが大してあるわけではない。日曜日だからだ。 大学も休みである。と言うわけで、教授お勧めの博物館に行ってみたのだ。 Vasa Museetというところである。 この博物館は、ヴァーサ号という船を展示している。

だが、この船、ただの船ではない。16世紀の戦艦なのだ。

しかも、ただの戦艦ではない。通常、 この時代の戦艦には1列の砲台が船腹に並んでいるそうだが、 どうやら当時の王様が完成間近になって、「2段ほしい」などと言い出したから大変。 突貫工事で完成させたは良いが、結局構造バランスの悪い船ができあがったらしい。 ということで、ドックから出発したは良いが、 なんとたったの300mを航海して風に煽られて転覆沈没したのである。

1950年代になって、ある男がそんな笑い話に近い伝説を信じて探して見たら、 沈んだ当時の状態のまま見つかったという訳である。 どうやらストックホルム湾は特殊な環境下にあり、 船がほとんど腐らずにあたかも保存されてかのような状態で発見されたらしい。

Vasa

あまりの大きさにびっくり仰天である。しかし、こんな大きな過去の過ちを、 60kr(800円ほど)もの大金を取って見せびらかしているスウェーデン人というのは、 意外と親しみやすい人種なのかもしれない。

またひとつこの国を好きになる理由を見つけたのだ。


01.04.30,Mon 「GSMを購入してみる。」

朝早くから教授が来て、大学の宿泊施設からアパートまで送ってもらったのだ。

いくら我々が車がなくて不便だとはいえ、ここまでやってもらうと恐縮してしまう。 アパートがあるのは、ストックホルムの南方に位置する郊外である。 見てみると、あまり状態の良いアパートではなかった。 しかもバスルームが少々臭い。

とつらつらと不満を述べても仕方がない。 とにかく、今夜寝るためのシーツを買わなければならないのだ。ということで、 教授はその足でAohlensというストックホルムの中心部にあるデパートまで、 車で送ってもらった。実はその店、 『 佐藤デジタルメモ』によると、あまり安い訳ではないようなのだが、 なにしろ教授のお薦めなので素直に従うことにした。

シーツの購入後は、ケータイを購入。

わずか1年しか居ないのにケータイを買うには訳がある。 もはやケータイを身につけていないと不安な身体になってしまったというのもあるが、 何よりも今日はメイデイ前日で電話会社を含む役所関係は休み、 明日もメーデイそのもので休日である。 ということは、在留届を提出して住民登録を済ませ、パーソナルナンバーを貰い、 銀行口座を開いて電話を引く、 という一連の手続きが開始できるのは最も早くても2日の水曜日である。 しかも在留届と住民登録は到着してから1週間以内に済ませておく必要があるのだ。 厳密に計算すると、金曜日の夜に到着しているので、 既に4日分損している計算になる。

しかも問題はそれだけではない。

6日の日曜日には、 ソルトレイクシティで開催される国際学会に向けて出発しなければならないのだ。 誰も私に連絡が取れないという状態になってしまうのは問題がある。

と言うわけで、 Åhlens Cityの道の反対側にある安売電気店で購入することに決めたのだ。 IDを持っていないので、正規に加入するのではなくプリペイドである。 店員の説明によると、SIMをカードから折り取って携帯のスロットに入れ、 210に電話してアナウンスに従えば良いと言われたのだ。

アパートに戻って言われたとおりにしてみると、果たしてアナウンスはスウェーデン語。

いったいどうすりゃいいというのだ。

My GSM phone
(携帯の上に乗っているのがSIMカード)

|最近の「がまんしましょう」| 「がまんしましょう」一覧|

Valid HTML 4.0! Copyright (C) 2001 Yusuke Hiwasaki
Last modified: Wed Oct 31 20:16:23 CET 2001