2000年4月前半の「がまんしましょう。」


00.04.01,Sat嘘を飲みこんでみる。
00.04.02,Sun寝不足のまま過ごしてみる。
00.04.03,Mon桜をみる。
00.04.04,TueCDラックを頼んでみる。
00.04.05,Wed電車の中で癒してみる。
00.04.06,Thu会社で桜をみる。
00.04.07,Fri今日も桜をみる。
00.04.08,Sat足の裏で汗をかいてみる。
00.04.09,Sunストレスをぶつけられてみる。
00.04.10,Mon地震があってもほっといてみる。
00.04.11,Tue『フィフス・エレメント』をみる。
00.04.12,Wedシャッターを押してみる。
00.04.13,Thu山本まさゆきさんに傾倒してみる。
00.04.14,Fri熱演を予感してみる。
00.04.15,SatCDをラックに詰めてみる。

00.04.01,Sat 「嘘を飲みこんでみる。」

エイプリルフールなのだ。

そう、今日は嘘をついても、冗談で済んでしまう、とても良い日である。 えーと、「そもそもアンタの人生自体が悪い冗談でしょ」なんて、 本当のことを言われてしまうと元も子もないのだが、 まぁ、今日限りは大手を振って嘘をついて構わないらしい。 と言うことで、日頃のうっぷんを晴らすべく、 御主人様(仮名)にどんな嘘をつくか考えていたのだ。

ところが、今日は、 大学時代の研究室(ゼミ)の先輩であるSさんの送別会が設定されていたのだ。 私はその研究室で大学4年の1年間と修士の2年間お世話になっていたのだが、 計算機管理のやり方など、とにかく質問すると何でもすぐ答えてくれた。 偉大な先輩なのである。

しかも、彼の実家の方で執り行った結婚式にも招待してもらい、 未だ学生だった私は本当にわずかしか包まなかったのだが、 宿代の他に車代などまで貰ってしまい、 結局まっくろな黒字で帰京したという恥ずかしい事実まである。 卒業してからも家に招待してくれたりと、何かと世話になっている。 全くもって頭が上がらないのだ。

で、その彼が、東京を引き払い、関西の実家の方に家族を連れて帰ると言う。 ということで、先生をはじめとする研究室の有志で、 恵比寿の中華料理屋に集まったのだ。えーと、 先週末にも、 皆に先生のお宅でお会いした気もするが、それはそれ、これはこれである。

二次会は設定されておらず、一時会で解散。それも少々寂しいので、 同じ方向に帰るTさんとの3人で、 渋谷の大交差点の前のStarbucksで珈琲を飲んで帰ったのだ。 もう終電も近いので、駅まで歩いて山手線のホームまで上がると、案の定、激混み。

「あー、次の電車にしよか。」

それを見たSさんは言った。我が家に行く方面の電車は終電ぎりぎりだったが、 朝のラッシュアワーに匹敵する程の混みようでは、 物理的に乗ることができなさそうだった。それに、 頭の上がらない大先輩が言う言葉である。従わざるを得ない。

ということで、電車を一本見送ったのだったが、これが運の尽きだった。 結局、私は見事に終電に乗り遅れ、 酔っ払いでぎゅうぎゅう詰めの各駅停車に乗って帰る羽目になったのだ。 当然、この電車は途中までしか行かない。

我が家に電話をする。

「あ、あのぉ、終電に乗り遅れてしまつたのですが、 もしよろしければK駅まで車でおいで頂けませんでしょうか。」

20分後、御主人様(仮名)は、ほっぺたをパンパンに膨らませた状態で現れた。 誰がどう見ても、怒っていると分かる。しまった。

というわけで、全然嘘をついたりする雰囲気ではない。 結局、折角のチャンスを不意にしてしまったのだ。


00.04.02,Sun 「寝不足のまま過ごしてみる。」

昨日は終電で帰宅したと言うのに、8時に起床である。

というのも、我が家のある団地では、 毎月第一日曜日が「掃除の日」と定められており、 アパートの周りの掃除をする。雨天中止なのが、せめてもの救いなのではあるが、 結局その日の朝にならなければ中止かどうかは分からないし、そもそも面倒臭い。 あまりにも面倒臭いので、前日は必ず雨乞いの儀式をしてから就寝するほどなのだが、 願いが叶ったタメシがない。今回も例に漏れず雨は一滴も降らなかったので、 9時から私と同じように全くやる気のないオトーサン方に交じって、 芝生の掃除をしたのだ。嗚呼、眠いなぁ。

しかも、その後には防災訓練まで控えていたのだ。 ほとんどの人達はソソクサと戻ってしまい、 残されたのは私のような要領の悪い新参モノばかり。 と言う訳で消防士達の消化器訓練や人口呼吸のデモンストレーションなどを、 眺める羽目になってしまったのだ。 やる気マンマンの消防士と、半開きの目をしたオトーサン方の、 熱量の差がヤケに印象的ではあったのだが、 「実際にやってみませんか」と声をかけられるのを恐れて、 私は後ろの方でちぢこまっていた。こんな日差しの良い日曜の朝っぱらから、 マネキンなどとチューするのは御免なのだ。

気を取り直して、 午後は タブラトゥーラのライブを聴きに大崎まで出かけた。 最新CDの「蟹」世界同時発売記念のライブである。うーん、 古楽という極端にマイナーなジャンルの音楽で、 ちゃんと世界で通用するCDを創っている所が凄いよなぁ。

えーと、ここだけの話、このライブにはもともと行くつもりがあまりなかったのだが、 出演者の 江崎君から、今度一緒に出演する演奏会の フライヤーの印刷が仕上ったという連絡を受け、 それの受け取りも兼ねて聴きに行くことにしたのだ。 いやぁ、でも、行って良かったのだ。実に楽しかった。 もっとも、折角のアコースティックな古楽器なのだから、 PAを使わないで欲しい気もしたが。まぁ、収容人数200人ぐらいのホールだったから、 仕方がないのかもしれない。

夜は、このフライヤーを取りに、美人チェンバロ奏者のMちゃんと、その夫の uttieさんが来宅した。 彼らは、以前書いたように、 本当に近くに引っ越して来たのでかなり気軽に呼べる。 というか、23時に呼び出すなよ。ま、いずれにせよ、 手土産に持ってきてくれたミニストップのソフトクリームを舐めなめしながら、 一時のおしゃべりを楽しんだのだ。 うーん、ミニストップの十勝牛乳ソフトクリームは美味しい。

というわけで、結局就寝は午前2時頃になってしまい、 寝不足は一層弾みをつけたまま、新たな週に突入するのだ。

しくしく。

じゃんがら(原宿)「ぼんしゃん角肉味玉」替玉


00.04.03,Mon 「桜をみる。」

桜は変らない。

この時期になると、毎年同じように花を咲かせる。

去年、武道館側から一緒に観た千鳥ヶ淵の桜も。

今からちょうど十年前にも同じ桜を観たけど、その時と違うのは自分自身だけ。

これからも桜の季節は巡り、それと同時に僕等はひとつずつ年を重ねて行く。

十年後、僕はどんな気持で君と桜を観ているのだろう。

桜は変らない。


00.04.04,Tue 「CDラックを注文してみる。」

実は以前から、 膨大な量のCDを持て余していたのだが、 邪魔とばかりに御主人様(仮名)が直々に押入の奥底にしまい込んでしまった。 おかげで、聴きたいCDを取り出すのにエラく苦労する。

例えば、「あのCDが聴きたい」と思いついても、その前には、

  1. 押入の引き戸を開く。
  2. CDの段ボール箱の前に置いてあるミシンなどの物品を取り出す。
  3. のぞき込んで希望のCDを探す。
  4. なければ違う段ボール箱なので2に戻る。
  5. 物品をもとに戻す。
  6. 押入の引き戸を閉める。
  7. CDプレイヤーにかける。

などといった、極めて繁雑な作業が必要になる。

これは本当に面倒なのだ。CDプレイヤーにかける頃には、 聴く意欲が40%ぐらいまで萎えてしまっている。 多分、女性が十二単なんぞを来ていた室町時代の殿方というのは、 『いざ一戦を交えよう』と言う時に、こんな気分だったのかもしれない。 って、良く分からないタトエだなぁ。 えーと、もちろん聴き終った後は、そのCDを元に戻す必要があるので、 以上の作業を逆に行わなければならない。がっくりなのだ。

と言うことで、 私はCDラックの購入を御主人様(仮名)に長いことアピールしていたのだが、 よく考えて見ると、500枚ものCDが収納可能なラックは結構大きなモノになる。 当然、典型的な2DKの狭いアパートの我が家では、 到底それを置けるようなスペースはない。 こうして、CDラック購入計画は暗礁に乗り上げてしまった。

ところが、本屋でぱらぱらと立ち読みをしていたFM-Fan誌の通販ページで、 見つけてしまったのだ。と言っても、『ここまで見せても大丈夫?〜女体の神秘〜』 などという怪しげなVHSビデオのことではない。 見つけたのは、幅50cm、高さ181cm、奥行き23cmのCDラック。 収納可能な枚数は500枚。私の目的にぴったりである。このサイズなら、 床面積が非常に少ないため、 御主人様(仮名)の逆鱗に触れることなく床の間に配置することもできる。 私は急いでその雑誌を購入し、走るようにして家に持って帰り、電話をした。 呆気ないほど簡単に注文でき、到着は今から2,3週間後だと言われた。 うれしいのだ。

だが、頼んだ後でホクホクしながら考えていたら、気づいてしまったのだ。

今所有しているCDの枚数は500枚。ラックに収納できるCDの枚数は500枚。 ということは、これから買うCDは、いったい何処に収納したら良いのだろうか。

私は実にアサハカなのだ。


00.04.05,Wed 「電車の中で癒してみる。」

連日の残業でくたくたなのだ。

くたくたな私を癒してくれるのは、音楽である。 えーと、念のため言っておくが「恋のダンスサイト」じゃ残念ながら癒し度が低い。 やっぱり、α波が脳内にどばどば出てくるのはバロック音楽なのだ。 時間がないので、聴くのは通勤途中の電車の中ぐらいなもんである。

もちろん、聴くのはCD。 今はMP3やらSolidAudioの便利で手軽な再生器があるが、使っていない。 というのも、職業柄、圧縮符号化された音ばかり聴いているので、 せめて自分の時間ぐらいは原音に近いCDで音を聴きたいのだ。 それに、この手の楽音の圧縮符号化はチェンバロの音が極端に苦手だからなぁ。 まるで、鍵盤の裏の板が外れて変な共振をしているような音になってしまうのだ。

なぁんて言ってしまうと、ちょっとスノッブでやらしいなぁ。 バロック音楽を聴いているというところも、CDじゃなきゃだめということろも。 でも、事実なのだ。えーと、私がやらしいってところもだけど。

と言うことで、だらだらと各駅停車の電車に乗りながら、 いつものように行きの電車で初期バロックを聴いていたのだ。 濱田さん のキれた演奏は素晴らしいなぁ、などと思いながらCDを聴いていたのだ。

で、途中の駅で女子高生が2人乗ってきた。丁度私の隣の席が空いていたので、 そこに座った。嫌な予感がした。で、その嫌な予感は見事に的中したのだ。 この2人はケータイを手にして着メロの聴かせ合いっこを開始した。 折角の素晴らしい演奏も、無表情な電子音で台無しである。 しかも曲は「恋のダンスサイト」。

嗚呼、私の貴重な癒しの時間を返してくれっ。


00.04.06,Thu 「会社で桜をみる。」

会社で観桜会が開催された。

実は、私が勤務する会社は広大な敷地内に建っている。 当然、この敷地内には何本もの見事な桜が植えられており、 毎年満開時には花見が開催されているのだ。 社内食堂のスタッフによる料理も出店で売られ、ビールなどの酒類も販売される。 基本的に、食堂以外では禁酒なのだが、 この時ばかりは大っぴらに外で酒を飲むことが出来るのだ。

実は、この食堂は、普段からマズい料理を平気で提供していたりして、 正直なところ、そんな連中の作った料理などは食べたくないのだが、 近くにテイクアウトできるような料理屋が少ないので、我慢しながら食べているのだ。 まぁ、「本当に味わうのは酒であり、つまみではない」 なんて打算的な意識に基づいていたりして、なんかウシロムキだなぁ。 まぁ、結局のところ、遠くまで買いに行くのが面倒なだけなんだけどね。

私もちょうど仕事が一段落したので、働くのをやめて、 そこら辺の若手の同僚と共に観桜会に参加することにした。 えーと、私が勤める研究所というのは、 基本的に若手社員ばっかりだったりもするのだが。 そもそも、エンジニア生命というものは、意外と短いのだ。 なんて、深遠な話題は日記の本題でないのでやめておこう。

ということで、若手社員のぼろぼろな恋愛話で盛り上がったのだ。 内容はどこにでもありそうな話なので、詳細は省くけど。でも、 「こんな職場じゃなかなか結婚できなくて、手近で済ますケースが多いよなぁ」 なんていう結論に至ったのだ。なるほど、均等雇用が叫ばれて久しいのに、 未だに研究職の女性は男性に比べて極端に少ないからなぁ。

って、手近で済ませてるのは、私のことですか?


00.04.07,Fri 「今日も桜をみる。」

折角の花見だというのに、会議である。

えーと、一昨日は 昼休みに弁当を買って近所のグラウンドの桜を観に行ったし、 昨日も 会社で桜を観て飲んだくれたりしたりしてるんだからもう充分だろ、 という意見もないこともない。こんなに桜ばっかり観て、 何のためになるのかと訊かれると甚だ困ってしまうのだが、観たいものは観たいのだ。 うーん、なんとも愚かしい。

今日の桜は実家の近くの広大な都立公園での桜である。 折角実家のすぐ近くの桜を観るんだからと、お泊り道具まで用意して出社したのだ。 飲んだくれて酔っ払って何もかもが面倒になった状態で、 実家に転げ込むという算段である。って、何のために会社行ってるんだよ。

ま、いずれにせよ場所取り先発隊は3時に出発している。 えーと、私の職場はフレックス勤務形態なので、 3時に帰宅しても月間の合計勤務時間が足りていれば何ら問題がないのだ。 予定では、花見の宴は5時ごろには開始で8時ごろには終了だそうである。

だが、宴の開始時刻に、私は会議室でじりじりしながら時計を見ていた。 会議は一向に終わる気配を見せない。 と言うか、まだ1時間以上かかりそうな雰囲気である。だからといって、 お客さんの前で眉毛を八の字にする「とほほ」顔をするわけにもいかないし、 した所で何の助けにもならない。それに、そんな顔をしている場合ではないのだ。 集中して話を聞かないと、すぐわかんなくなっちゃうような内容だったのだ。

結局、会議が終了したのは6:30。へとへとである。もう疲労困憊。 急いで帰宅する用意をし、会社を飛び出してはみたが、 大勢の酔っ払いだらけの中から職場の人達を見つけ出し、 青いビニールシートに腰を落ち着けたのは8:00ちょっと前だった。

がっくし。


00.04.08,Sat 「足の裏で汗をかいてみる。」

朝、寒くて目が覚めたのだ。

昨晩は実家に泊まったのだが、 やっぱり一軒家は寒い。もう4ヵ月離れただけで、 一軒家で生活できない体質になっている。やはりアパートは暖かいんだよなぁ。 って、それは2階に住んでいるからだったりもするが。1階のAさん、 いつもいつも我が家の光熱費の節約に貢献してくれてアリガトウなのだ。

えーと、話を戻そう。滅茶苦茶、身体の調子が悪いのだ。少々風邪気味である。 連日連夜の残業に引続き、連チャンでの寒空の下での飲み会が祟ったようだ。 こんなボロボロの生活を送っていれば、 身体の調子も悪くなって当り前のような気もするが、 本日の予定は容赦なく盛り沢山である。「今日は家でごろごろしたいのっ」などと、 枕に顔を押しつけて叫んでみても何の助けにもならないのだ。 って、助けになる訳ないか。

午前中は楽器の練習。というのも、 午後は O田さん宅で練習があるからだ。 4/30の 東京ガーデニングショーの本番に向けての「合わせ」である。

午後の練習は、ほとんど 昨年の本番のプログラムの焼き直しなので、比較的楽ではあったが、 やっぱり サークルの先輩方にいぢめられるのは恐いのだ。 N岸さんと一緒に吹くとマジで足の裏に汗をかく。 足の裏に汗をかくという体験は、プレイステーションの不朽の名作、 『 バイオハザード』で遊んで以来である。もう無条件で全てを投げ出して、 「ごめんなさい」と土下座をしたくなるぐらいの窮地に立たされなければ、 『足の裏汗』などは出ないのだ。

と言う訳で、疲労困憊した状態で御主人様(仮名)の実家にお邪魔する。 遠方に住んでいる義兄家族も訪れ、 「御主人様(仮名)御一家勢ぞろい」と言った風情である。 私一人、練習が長引いた所為で遅刻である。 もう、のっけから、不利な立場である。しかも男衆は、全員酔っ払っている。 子供を除けば、私が一番年下である。ますます不利な立場である。

もっとも、皆、 テレビで放映されていた野球の試合を見て盛り上がっていたんだけどね。 読売ジャイアンツ対ヤクルトスワローズ。 私はあんまり野球を観ないのだが、どちらかというと私はアンチ巨人ファンである。 つまり、ジャイアンツ以外を応援する人。 ところが、御主人様(仮名)家族は、全員が全員ジャイアンツファンだったのだ。 もう、ヤクルトのピッチャーの石井が好投すれば、怒号が飛びまくりである。

結局、この日、ジャイアンツは「さよなら」で勝利を収めたのだが、 その時、私が足の裏にじっとりと汗をかいていたのは、ここだけの秘密である。


00.04.09,Sun 「ストレスをぶつけられてみる。」

やっぱり風邪のようだ。

ということで、実家の(旧)私の部屋を片付けに行くのは中止して、 家で鋭気を養うことにした。えーと、平たく言えば、 家でゴロゴロしてただけなのだが。

と言っても、ゴロゴロばかりしているのもナンなので、 この時間を利用してFreeBSD Release 4.0で、 VMWareを動かしてみることにした。 つまり、PC-UNIXでPCハードウェアのエミュレータを動かし、 Win98やWin2000などを動かすのである。 えーと、今の文章が、何のことだかさっぱり分からない人も居るだろうが、 安心してくれたまえ。実は私も良く分かっていないのだ。 とにかく、コレが出来れば色々と便利らしい。

で、いろいろ四苦八苦した挙げ句、結局動かなかったのだ。もともと Linux用のソフトを、 FreeBSD上でLinuxエミュレーションモードで動かすこと自体に無理があったのだろう。 がっかりである。と言うか、「某UNIX系雑誌よ、金返せ」という状況である。

しかし、実は私はもっと大きな問題に直面していたのだ。 御主人様(仮名)の顔がパンパンに膨らんでしまったのだ。 もっと正確に言うと、ほっぺたがパンパンに膨らんだのだ。えーと、 別に奇病でもなんでもなく、彼女は単にぷりぷりと怒っているだけなんだけど。

問題は「何に対して怒っているか」なのだが、明らかに怒りの対象は、この私である。 なんか最近、いつも怒られてるような気がするなぁ。 週末恒例の掃除をしようとしていた御主人様(仮名)には、 私の存在自体がとてつもなく邪魔だったらしい。

「何時までパソコンいぢってるのよ! 体調悪いなら寝てなさいよ!」

うーん、彼女の言うことも、もっともである。もっともではあるが、 風邪薬に含まれているカフェインと、寝起きに飲んだコーヒーが効きすぎて、 全然眠くないのだ。それに、私はもう少しコレと格闘してみたいのだ。あ。

やおら彼女は掃除機を放り出し、PS2のコントローラを握った。 も、もしかして、ゲームでストレスを発散するんですか? そんな、 格闘ゲームなんてやったら、こっちにもトバッチリが来たりしませんか?

と言うことで、イキナリ飛び蹴りなど食らっても嫌なので、 おとなしく布団に入ることにしたのだ。

すごすご。


00.04.10,Mon 「地震があってもほっといてみる。」

だらだらと出社したら、色々な人が地震の話を口々にしていたのだ。

結構大きな地震だったらしく、「目が覚めた」とか、 「飛び起きてテレビが倒れないように押えた」とか、話題沸騰である。 えーと、実際に沸騰していたかは良く分からないが、 とにかくそういう話題が出ていたのだ。

しかし、私には何のことやらさっぱりである。 その地震に全然気がつかなかった。 と言うか、地震と言えば、有珠山のことかと勘違いしていたぐらいである。 まぁ、冷静に考えてみれば北海道の火山が東京で地震を起こす訳もないので、 勘違いも甚だしいのではあるが。

そうか、そんな地震があったのか。 家に帰ったら、御主人様(仮名)にも聞いてみよう。と決心した。 ということで、帰宅して聞いてみると、 彼女も確かに明け方の地震で飛び起きたと言う。

「で、私は寝たままだったんでしょうか?」
「うん、寝たままだった。」
「起こすつもりはなかったんでしょうか?」
「だけど、頭の上に、ポスターの額が落ちて来て死なないように観てたよ。」

って、単に観てただけなんですか?


00.04.11,Tue 「『フィフス・エレメント』をみる。」

なんと、御主人様(仮名)が、DVDソフトを買って来たのだ。 普段から財布の紐をきつく縛りあげっぱなしの彼女にしては珍しい行動である。

「イチ、サン、パー」のかけ声と共にテレビの下方に貼りついて、 下から目を細めて藤原紀香を見上げている場合では全然ない。 あの、『見えそで見えない』のが何とも言えず良いのだ。 だからと言って、下から見上げても見える訳がない。 えーと、分からない人に説明すると、最近売り出された発砲酒の CMである。

脱線した。えーと、彼女が買って来たのは、 『 フィフス・エレメント』である。 リュック・ベッソン監督の近未来映画。 一昨年に劇場で観た時も好感触で、是非もう一度観たいと思っていた映画だ。 ストーリーがありきたりだったり、 どっかで観たような映像のオンパレードだったり、 ギャグが寒かったり、と減点要素は沢山あるのだが、 どうも、私は近未来SF映画に甘いらしい。ありがとうぅ、御主人様(仮名)!

ということで、観始めたのが午前0時頃。御主人様(仮名)も呆れて寝てしまった。 だが、コタツでごろんとしながら観ていたのだ。

は。

しまった、思わず寝てしまったようだ。 最近疲れが溜っているみたいだなぁ。 無理もないかも、時計を見ると、午前3時である。 画面ではクレジットがスクロールしていた。

嗚呼、私は一体何のために夜更ししていたのだ。


00.04.12,Wed 「シャッターを押してみる。」

夜の公園を御主人様(仮名)と散歩をしたのだ。

と言うのも、今週末は残念ながら予定が詰まっているので、 平日の夜に行くことにした。 うーん、最近、シツコイぐらい桜を見ている気がするなぁ。でも、 ほとんど宴会を兼ねた花見ばかりだったから、今回は真面目に桜を見たかったのだ。

そろそろソメイヨシノの見頃も過ぎてしまうが、 実はそれが狙いだったりする。だんだん夜桜見物の客も少なくなり、 桜の下も空いて来るので、落ち着いて花が見物が出来るのだ。

それに、桜は別にソメイヨシノだけではない。 何だか世の中の風潮からすると、葉桜には価値がないような感じではあるが、 むしろ一般的な植物と比較すると、 葉が出ていないのに先に花が咲いてしまうソメイヨシノの方が異常なのである。

ついでに、最近仕入れた知識を、私自身が忘れてしまう前に披露してしまおう。 「うば桜」という言葉をご存知だろうか。私も知らなかったのだが、 葉が出る前に咲いてしまう桜のことを「うば桜」というそう。 「葉が無い」ので「うば(無葉)」ということで、対義語が「葉桜」。転じて、 慣用句として「ちょっとお年を召した女性」のことを指したりもするらしいが、 決して「うば=姥」ではないだそうだ。

えーと、真面目な話はここら辺にしておこう。 と言うことで、御主人様(仮名)と、 暗がりのベンチでチューなどをしているカップルを眺めながら歩いていたのである。 「嗚呼、ああいう初々しい時期が懐かしいなぁ」なんてつぶやいたら、 運悪く彼女に聞こえてしまったらしく、 「今はどうなのよ!」と肝臓の辺りにボディブローを食らってしまった。 えーと、いや、まぁ、今は今で良いんだけど、 我々も、もう公園でチューするような年でもないでしょ。

などと、痛みに耐えながら歩いていたら、 花見の宴を片付けている若人達に声をかけられてしまったのだ。 えーと、念の為に言っておくが、我々もそんなに年をとっている訳ではない。

「すみません、シャッター押して頂けますか?」
「あぁ、いいっすよ。じゃ、チーズ。」パシャ。
「ありがとうございましたぁ〜。」
「もう一枚おとりしましょうか?」
「え、良いんですか?」
「いいですよ。」
「おーい、もう一枚撮ってくれるって。みんな集まってぇ〜。」
「はい。チー」パシャ「ズ」
ばしっ。

思いっきり、御主人様(仮名)に後ろから頭をはたかれてしまった。 カメラの向こうで若人達がずっこけている。

「『ズ』で押すな。『ズ』で。」

何だか、今日は突っ込みが激しいのだ。

大山家(武蔵境)「ラーメン」味濃いめ固め


00.04.13,Thu 「山本まさゆきさんに傾倒してみる。」

職場に4月から移動してきた人が歓迎会で、 2次会のカラオケでは異様な盛り上がりをみせたのだが、 最近、私が歌う曲は「それゆけガイコッツ」だったり、 「ヤッターマンの歌」だったりと一昔前のアニメソングばかりである。 って言うか、最近新しい曲を全然聴いていないので、 そういうモノしか歌えないのだ。

っていうか、寝ても覚めても 『タイムボカン・シングルコレクション'74〜'92』ばっかり聴いているのが、 イケナイに決まっているのだ。山本まさゆきさん、大好きなのだ。 山崎まさよしも好きだけど。


00.04.14,Fri 「熱演を予感してみる。」

渋谷で、飲み会があったのだ。

というのも、私が昨年演奏会に参加した、 某R室内合奏団という弦楽アンサンブルが、 何と2年ぶりに復活し、来年の9月に演奏会を開くことにするらしい。 私自身は、この団体のメンバーだかそうでないんだか良く分からない立場で、 どうして私なぞを宴会の席に呼んでくれたのかをよく理解してなかったりするが、 『楽しいことは何でもやる』という自分の座右の銘に基づくと、 こういう宴会は万難を排してでも絶対に行かなければならない。えーと、ところで、 「某R」とか言いつつ全然伏せ字になっていないのは、気にしてはイケナイ。

で、まぁ、選曲についての話などをしていたのだ。 要するに「今度の演奏会は何を演奏しようか」という相談である。 私自身はこの話題にはあまり積極的に参加せず、 末席で『結婚をしたらどうやってお小遣いを確保するか』について、 これから結婚を考えているN君と熱く語りあっていたのだ。

ところで、話は変わるが、かの有名なモーツァルトという作曲家には、 同じく作曲家のレオポルドという父親が居た。 その父親は、かなりの教育パパだったというのは結構有名な話だったりもするが、 彼が作曲した曲の中には、「おもちゃの交響曲」もある。 そう。オーケストラに、鳩笛や水笛やガラガラいうのが入っている奴である。 息子があんなに有名なのに、 当の本人の最も有名な曲が「おもちゃの交響曲」というの少々寂しい気もするが、 とにかく、おもちゃの音を採り入れた面白い曲で、演奏会でやるとウケが良い。

と言うことで、 私が「個人と家計の財布は別にすべき」などと無駄に力説している間に、 どうもその曲が選曲候補として挙がったらしいのだ。 この曲には、私の演奏するフルートは入っていない。 で、自分には全く関係の無い話だと思っていた。

ところが、どうも話題に参加していないうちに、 その鳩笛や水笛、ガラガラの担当にさせられてしまったのだ。 ま、まぢですか?

うーん、でも楽しそうなので、やってみたい気もするなぁ。 よし、やってみよう。そういう訳で、来年の9月は私の熱演に乞う御期待なのだ。

と言うか、鳩笛を熱演するな。


00.04.15,Sat 「CDをラックに詰めてみる。」

いやはや、こいつには困ってしまう。

あと2時間後には来客があるというのに、 我が家の茶の間で長々と寝そべって居るのである。 と言っても、近所の多摩動物園から逃げ出して来たキリンのことではない。 って、そんな生き物が家に居る訳がないではないか。 それに、そもそも多摩動物園は全然近所ではない。 えーと、意味不明のボケはほっておいて、本題に戻ろう。

先日から再三に渡ってここに登場しているCDラックが、 とうとう届いてしまったのである。 自分で頼んでおいて「届いてしまった」もナイとは思うが。 実は、これ、先一昨日には着いていたのだが、 連日連夜の飲み会で、忙しくて開封する暇が無かったのだ。 しかも完成した状態で届いたのではなく、自分で組み立てなければならない。 面倒くさいので、寝そべらせたまま放置。今流行りの放置プレイである。

だが、今日はお客さんを我が家に招待している。 ただでさえ狭い我が家に6人も招待しているのだから、 茶の間にこんなモノが寝そべっていたら、邪魔で仕方がないだろう。 ということで、茶の間を片付け、掃除をする前に、 こいつを組み立て、部屋に散乱しているCDを押し込めなければならない。

棚が10段もあるので、 全部のネジをきっちり閉めていたら腱鞘炎になりそうになってしまったのだが、 それより、CDをラックに詰め込んでいたら重大なことに気づいてしまったのだ。 前にも書いたとおり、このCDラックの容量は500枚で、 私が所有するCDは500枚程だったので、丁度ぴったり入る計算である。

ところが、棚が一杯になっても、まだCDが部屋の中に散乱したままだったのだ。 ラックには500枚のCDが入っている。念の為、数え直してみた。 何度数え直しても、500枚のCDが詰まっている。 ということは、所有CDはいつのまにか500枚を突破していたらしい。 とんだ誤算だった。うーん、ヤバいなぁ。 この事実が御主人様(仮名)に発覚したら、余剰なCDは売りとばされてしまう。

いったいどうしたら良いのだ。


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